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コラム

2016年06月15日

賃貸経営と保険契約

コラム「地震被害による損害賠償について」では地震への心構えについて考えてみましたが、その備えとして考えられるひとつに地震保険があります。「いつ発生するかわからない。」「たとえ震度7の地震に見舞われても倒壊することはないだろう。」「保険料の割に補償額が少ない。」そういった理由で地震保険への加入を見送っている賃貸オーナーも多いでしょう。 今回は、賃貸経営で起こり得る災害をカバーする保険について紹介します。

賃貸経営における損害保険の種類

賃貸居住物件の場合、建物の共用部については賃貸オーナーが、室内については入居者が損害保険に加入するのが一般的です。 まずは賃貸オーナーが検討すべき主な保険を下表に示します。

ほとんどの賃貸オーナーは火災保険に加入していると思いますが、地震による火災や津波(水害)は火災保険では補償されないので注意が必要です。また、地震保険をはじめとするその他の保険は、火災保険の「特約」という形で商品化されています。高齢者の孤独死の増加に伴い「家主費用特約」といった保険も登場しています。特約は契約途中からでも追加加入が可能です。現在加入している保険を再確認してみましょう。

賃貸経営と地震保険

地震発生の可能性と地震保険

次に地震保険についてレポートします。 2016年6月に地震調査推進本部により発表された、今後30年間のうちに震度6弱以上の超過確率は、東京都庁で47%、大阪市では54%、名古屋市では45%でした。 ※超過確率とは、ある地点で設定以上の揺れが発生する確率のこと。(地震の大きさではなくその地点での揺れの大きさ)

一方地震保険の加入率は、1995年の阪神淡路大震災以降徐々に増加していますが、東京都で35.6%、大阪府は30%、愛知県で38.7%です。東日本大震災で被災した宮城県は50.8%。(※2014年 損害保険料率算出機構調べ) 万が一所有建物が被災した場合には、賃貸オーナーの負担も多額に上る可能性があります。保険料の負担も少なくないですが、修繕費用を予め用意しておくにも限度があるでしょう。この機会にハザードマップを確認し、地震保険についても検討してはいかがでしょうか。

地震保険と耐震等級

地震保険の保険料は、建物の所在地と建物構造によって異なります。地震発生の可能性が低い地域で、被害を受けにくい建物ほど保険料が安く設定されるのです。耐火構造は、非耐火構造の約半分の保険料で、新耐震基準による建物はさらに10%の割引があります。耐震等級による割引は下表のとおりです。

地震保険に関する概要は、財務省がHPで解説しています。 耐震等級とは、住宅性能表示制度に基づく建物構造の強さの目安で、地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを表しています。免震構造や耐震等級3で建築すれば安心度は高まりますが、それなりに費用もかかってしまいますので、建物の規模(高さ)や住まいの使い勝手等も考慮しながら十分に検討してください。 大成ユーレックのPC造マンションは、3階建て12戸(55㎡)の場合には耐震等級2に相当します。(注:住宅性能表示制度で認定を受けるためには別途審査が必要です。) ちなみに、主に病院や学校等は耐震等級2、消防署や警察等防災拠点は耐震等級3で建築されています。

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