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コラム

2015年10月30日

賃貸経営の新潮流「シェアハウス」ってどういうもの?

最近話題を呼んでいるシェアハウス。 入居者に支持される理由や、賃貸経営上のポイントをご紹介。変わりゆく入居者ニーズをキャッチし経営に活かしましょう。

どう違う!?賃貸マンションとシェアハウス

シェアハウスは、入居者各々が専用で使う居室とは別に、キッチンや浴室・トイレ、リビングダイニングなど、共用で使用するスペースを設けた賃貸住宅です。

建物も契約方法もさまざま

建物は既存のものを利活用したケースが多く、一般の集合住宅や社員寮を改修したマンションタイプ、一戸建ての住宅を利用したハウスタイプがあります。 下図表は一般的な賃貸マンションとの違いや特徴的な事項をまとめたものですが、初期費用の徴収方法は保証金(デポジット)が一般的で、相場というものはなく物件によってさまざま、保証人も必要とされないのが一般的です。契約期間は最短1ヶ月からの物件もあり、契約形式も定期借家契約などさまざま、水道光熱費やインターネット接続料を共益費として月額固定で徴収するのが主流となっています。 設備・仕様に関しては、専用部(居室)は家具のある物件とない物件があり、中にはミニ冷蔵庫付きのところも。共用スペースの充実度も物件によりけりで、浴室・トイレなどは入居者数に配慮した数を設置していますが、浴槽がなくシャワーのみの物件もあります。

低コスト、安心感、交流しやすさで入居者から支持

一般の賃貸マンションよりも初期費用が少ない点が、生活コストを優先する入居者から支持されているようですが、入居者にとっての、シェアハウスならではの魅力は他にも色々。冷蔵庫や洗濯機を自ら揃えなくても暮らせるため、海外からの渡航者や帰国者、初めて一人暮らしをする人には経済的です。帰宅すれば大抵入居者のうちの誰かがいるという安心感、友達を作りやすい点なども支持される理由となっています。 防犯システムでセキュリティ性が高められた物件も多いですが、入居者のコミュニティが暮らしを見守る役割も果たしており、シェアハウスの特徴的なところといえそうです。

シェアハウスを経営するポイント

シェアハウスを安定経営に導く要は何といっても管理です。 一般の賃貸マンションよりも共同生活の度合いが高いので、入居者が気持ちよく暮らすためには、設備・空間の使い方や生活ルールをしっかり守ってもらう必要があり、そのためのルール作りやきめ細やかなトラブル対応が求められます。 したがって管理にはシェアハウスの特性を熟知した運営ノウハウが不可欠です。基本的には信頼できる運営会社に委託した方が無難でしょう。 価値観やライフスタイルの多様化、単身世帯の増加といった世相と寄り添い、発展しているシェアハウス。一般の賃貸マンションと比べるとまだ市場規模は小さいですが、今なら工夫次第で存在感を発揮しやすいともいえそうです。ご所有マンションのリニューアルの際に検討されてみてはいかがでしょうか。 また、賃貸マンションの新築にあたり、お住まいでなくなった一戸建てのご自邸をシェアハウスとして活用するという方法もあります。(用途変更申請が必要な場合があります)

シェアハウス運営のポイント

【入居者募集】インターネットが主流。 【入居審査】入居審査+共同生活の適応性も重視するため面談必須 【日常管理】生活トラブル、設備不良などは迅速に対応 【清掃業務】入居者の当番制もあるが、管理側で行うのが理想的 【設備】入居者数に適した浴室、トイレ、洗面台、 ※高速インターネット回線、セキュリティ設備は必須

「シェア」が今後の賃貸経営のキーワードになる!?

昔懐かしい学生の下宿、まかない付きの単身者寮など、空間を部分的に共有する暮らし方は今に始まったものではありません。けれども近頃首都圏を中心に注目されている「シェアハウス」は、かなり多様化が進んだものです。 カーシェアリング、シェア自転車、ルームシェア、シェアオフィスなど、様々なシーンで浸透しつつある「所有する」から「みんなで利用する」へのシフト。費やすお金や時間の合理性、コミュニケーションを大切にする人々の意識も、「共用」(シェア)に新たな価値を創出しているのではないでしょうか。 今後の賃貸経営を考える上で「シェア」は一つのキーワードになりそうです。

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