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コラム

2018年03月12日

DIY型賃貸借とは?大家さんにとってのメリットとデメリット

築古物件になり空室率が増えて困っている大家さんと、インテリアにこだわる入居者、その両方のニーズに応えられる「DIY型賃貸借」が注目されています。国土交通省では、個人住宅の賃貸流通の促進に向けて、平成28年にDIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックを公表しました。「DIY型賃貸借」は自由度が高いゆえに、トラブル対策として、改修内容や明渡し時の原状回復範囲などを予め明確する必要があります。今回の記事では、大家さんにとってのメリットとデメリットをご紹介します。

DIY型賃貸借とは?

「DIY」とは「do it yourself」の略称です。日曜大工を思い浮かべる人も多いでしょう。DIYできる賃貸物件とは、家具を作ったり補修したり、部屋の壁紙を変えたりできる賃貸物件を指しており、国土交通省では、工事費用の負担者が誰かに関わらず、借主の意向を反映して住宅の改修を行うことができる賃貸借契約やその物件を「DIY型賃貸借」として定義しています。 従来の賃貸物件では、自分で内装に手を加えることはできず、仮に内装を変更できたとしても退去時に原状回復する(部屋を借りたときの状態に戻す)ことが義務付けられているのが一般的です。通常の使用による床や壁などの室内設備の破損は、原則として原状回復の範囲には含まれませんが、DIYは故意による変更なので原状回復の対象となります。より快適に暮らしたい、好みのインテリアにしたいという人にとって、従来の賃貸物件では叶わなかった新しい賃貸のかたちの賃貸借契約と言えます。

DIY型賃貸のメリットとデメリット

DIY型賃貸借が登場するまでは、内装の大規模な改修やDIYはマイホームを持っている人だけの特権と考えられていました。DIY型賃貸借の登場により、賃貸でも住空間にこだわりたい人に「自分だけの部屋を作る」という楽しみがもたらされました。DIY型賃貸はまだ数が少ないので、空室対策にも有効です。しかも退去後のリフォーム工事をせずに入居募集することができ、入居者がその部屋を気に入ることで長く入居してくれることも期待できます。あるいは入居者によって改装された部屋が次の入居者の目に留まるということもあるかも知れません。DIYする時間やノウハウはないけど普通の部屋はつまらないと思っている人にとって、個性的になった部屋そのものが魅力になる可能性があります。 一方、キッチンやトイレなどの水回り工事や電気工事などは資格を要するものもあり、専門業者の手を借りなければ難しいでしょう。DIYできる範囲を契約時に決めることになりますが、賃料を相当低くしてフルリノベーションを前提としない限り、電気設備、設備機器はある程度新しいものを大家さんが用意しておくべきでしょう。DIY型賃貸借であっても内見時に“古い”“汚い”が目立つのはマイナスポイントになります。

DIY型賃貸借特有の手続き

DIY型賃貸借では、賃貸借契約書に「DIYに関する特約」が規定されています。契約の締結は、借り主と貸し主の将来的なトラブルを回避するために、国土交通省が定める様式にしたがって行います。借り主からの「DIY工事の申請」と貸し主の「DIY工事の承諾」をそれぞれ別個の書面でやりとりするというものです。また「DIY工事の詳細についての合意書」も契約時に交わしておく必要があります。「どういったDIYを許可するのか」をよく吟味して決める必要があります。管理会社にもよく相談してみましょう。

DIY型賃貸借の入居募集

大手賃貸物件紹介サイトでは、検索条件に「DIY可」「カスタマイズ可」という項目を設けています。ですから、入居募集時には「DIY可」「カスタマイズ可」という条件をあらかじめ公表しておくことが重要です。また、DIYに興味はあるがイメージがわかないという人のために、実際に内装変更後の部屋を見せたり、写真でイメージを伝えることも有効です。内装を変えたいけど自分では出来ない人のためには壁紙のサンプルや内装工事業者の紹介サービスも必要かも知れません。DIY可能であることを上手にアピールするために、管理会社との協力関係も重要です。DIY可能な範囲によってPRポイントも変わり、方法も様々なので、まずは大家さん自身がDIY戦略を立てることが肝心です。

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