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専門家コラム

2015年12月20日

家賃滞納!予防と解決策のポイントとは?

賃貸オーナー様にとって直接収入に影響がある問題「家賃滞納」家賃滞納リスクがある入居者をどのように見極めるか? 実際に発生してしまった場合の対処方法は?今日からできる予防策と、対処方法を専門家に伺いました。

監修者

太田垣 章子氏

章(あや)司法書士事務所 代表司法書士

神戸海星女子学院卒業後、平成元年にオリックス野球クラブ株式会社入社。オリックス・ブルーウェーブの広報として3年間勤務し、平成13年司法書士試験に合格し、中野司法書士事務所に勤務。平成15年、簡裁代理等関係業務認定。平成18年に独立開業、平成24年、事務所を東京に移す。裁判関係も得意とし、離婚や養育費問題、後見・遺言関係、登記簿に取り組み、賃料滞納による建物明渡等では実務と講演、執筆等も手掛けている。著書に「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」「家賃滞納という貧困」がある。

初めての賃貸経営で家賃滞納トラブルが心配です。予防策はありますか?

この問題にオーナー様が備えるには、滞納しそうな人を入居させないことが第一です。 オーナー様自身が独自のフィルターで審査し、入居者を独自で選別する能力を身に付けましょう。 まずは、入居申込書に記載されている氏名、現在の住所や賃料、家族、勤務先、年収、引っ越しの理由などを徹底的に確認してください。内容に齟齬がなければ、まずはクリアです。 次に大手家賃保証会社の審査が通るかどうかです。 家賃保証会社にも様々あり、知名度の低い保証会社だと大手に断られた可能性もあるので注意が必要です。連帯保証人がいれば、契約時に実印での押印と3ヶ月以内の印鑑証明書を添付してもらいます。さらに電話で連帯保証の意思確認をしておくのが無難です。 以上のチェックを経て入居を許可したら、契約時の書類を審査します。 住民票は居住した期間に注目を。 前の住所に短期間しか居住していない場合は、何か特別な理由があるのかもしれません。その点を質問してみるとよいでしょう。 家賃滞納トラブルでは、オーナー側がどれだけ入居者の情報を持っているかが早期解決のカギになります。前の住所地の居住期間が短く、入居直後から滞納が始まるようなら、家賃滞納の常習者の可能性が高いので、必要な段取りを踏み、法的手続きも見据えて素早く対処します。

家賃を3ヵ月滞納している入居者がいます。上手く解決する方法は?

家賃滞納トラブルでは貸室の明け渡しはできても、未払い賃料の回収は困難なケースが多いです。 家賃が払えないほどお金のない滞納者が、退去後に滞納分を払ってくれるとは残念ながら期待できません。そのため、滞納を長引かせないことが肝心で、入金が1日でも遅れれば督促を。

家賃滞納トラブルの解決手順とポイント

まずは文書を普通郵便か自宅ポストへ。 内容証明郵便の必要はありませんが、送付内容と手段の記録は必ず残してください。督促はオーナー側の権利ですが、その後の電話なども回数を重ねると滞納者に「執拗なやり方だ」ととられかねないので慎重さが必要です。 再通知の文書では丁寧な言葉で「〇日付の書面でもお伝えしたとおり」などとアピールすると効果的です。 勤務先への電話はたとえ個人名でもかけることは控えましょう。どうしても必要な場合は一旦、書面や留守番電話で「これ以上連絡いただけない場合には勤務先にご連絡せざるを得ませんので一度ご連絡ください」と伝えた上でかけるようにしましょう。連帯保証人にも「代わりに払って」とすぐには言わず「何かあったのか不安なので」と心配しているスタンスで、連帯保証人から入居者に連絡してもらいましょう。 賃貸マンションの資産価値には入居者も含まれます。善良な入居者の住むマンションは善良な入居者を呼び、良い空気が漂います。滞納が発生したら迅速・適切に督促し、改善されなければ早い段階で法的手続きをとってでも退去させ、新たに善良な入居者を確保することが結果的には費用負担を抑えられます。法的手続きに関しては専門家にご相談ください。

まとめ

賃貸オーナー様にとって直接収入に影響がある家賃滞納。 家賃滞納リスクを防止するには、入居者の背景を徹底的に調べることがかかせません。 また、実際に家賃滞納が発生した場合は早期解決が肝心です。 ぜひ、今日から実践してみませんか?

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