コラム
2017年09月30日1階がコンビニの賃貸マンション 借りる?借りない?
全国で5万店舗を超えるコンビニエンスストア。誰もが1度は利用したことがあるのではないでしょうか。食品、新聞・雑誌、日用品などの販売に加え、銀行振込みや銀行ATM、コピーやチケット販売、宅配便の集荷なども取り扱う。温かいお弁当やイートインコーナーを設ける店舗もあり、24時間営業も珍しくないまさにコンビニエンス(便利)な業態の店舗です。さて、そんな便利なコンビニエンスストアが1階にある賃貸物件があったら借りるか?借りないか?について100人を対象にアンケートを実施しました。
便利だけど「借りない」人が多数。その理由は?
Q. 1階がコンビニエンスストアの賃貸マンション。他の条件が揃っていたら、借りる?借りない? という質問に対して、「借りない」と答えた人は75.7%。特に女性は82.2%が「借りない」と答えており、1階がコンビニの賃貸マンションは敬遠されている結果になりました。
その理由には、「騒音」を上げる人が最も多く、「借りない」と回答した人の46%が理由に挙げています。また、「騒音」に関連して、「24時間営業」であることや「治安」に不安があるという人、「害虫」など衛生面に不安があるという人もそれぞれ28%でした。 その他の理由としては、「落ち着かない」「出費が増えそう」「太る」「臭いが嫌」「店員に顔と住まいを知られてしまう」「車のエンジン音や排気ガス」「コンビニを利用しないのでメリットはない」などがありました。 一方、「借りる」と回答した人の95%が「便利」であることを借りる理由としており、人の出入りが多いこともむしろ「防犯対策」になるとの回答もありました。
予想を超える不人気。本当か?
上記結果を見ると、1階がコンビニの賃貸マンションは不人気ですが、実は、上記グラフには含まれていない「条件付でなら借りる」と答えた層が26%もいるのです。その条件の多くは、「上層階※だったら借りる」というもので、騒音や害虫被害も上階なら影響が少ないと考えられています。そして、「借りる」と「上層階だったら借りる」を合わせると、男性の50%、女性の40%が「借りる」と回答していることになります。
テナント付き賃貸マンション計画時の留意事項
今回は、コンビニエンスストアを例にアンケートを実施しましたが、深夜営業がない、食品を取り扱わない、臭いがしない店舗なら、入居への影響が少ないと思われます。一方、コンビニエンスストアの利便性は認めるところなので、直上階住戸の賃料設定を低くする、サービスを追加するなどの対策をすれば上層階への入居はデメリットとならないかも知れません。少人数世帯向けの惣菜の開発を積極的に行っているコンビニエンスストアもあります。遠方のスーパーまで買い物に行かなくても済むので、単身高齢者には喜ばれるでしょう。今回のアンケートでは、回収率が低かったのですが、60歳以上の方の66%が「借りる」または「上層階なら借りる」と答えており、年代別では最も居住意向が高くなっていました。 ※アンケート実施について(2017年8月9日、インターネット調査による自由記述回答を含むアンケート調査、対象100名)