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コラム

2016年03月29日

【独自レポート】賃貸マンション・アパート 入居前後の実態調査②

単身者とファミリー世帯ではライフスタイルが異なることから賃貸住宅に求めるニーズも変わってきます。それではどのような違いがあるのでしょうか。 前回のコラムに続き、一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の賃貸住宅入居者に対して行った「住まいに関する意識調査」を基に分析し、世帯人数による傾向をレポートします。これから賃貸経営を計画される方、入居者に選ばれるポイントをつかんで賃貸マンション企画の参考にしてくださいね。

■調査方法:インターネット ■調査対象者: 一般の賃貸マンション・アパート(築10年以内)の入居者 (N=927人:RC造、S造、木造各309人) 大成ユーレックPC造賃貸マンション(築10年以内)の入居者 (N=254人:当社PC商品「パルローグ」) ※いずれも物件選定にかかわった人。

世帯人数別の入居前の重視度と入居後の満足度

プランや設備仕様の19項目について、入居前の重視度と入居後の満足度を4段階で評価してもらいました。

「ひとり世帯」は重視度が低い

世帯人数別に比較してみると、「ひとり世帯」は全体的に重視度が低い傾向が見られます。特に「駐車場」と「通風」の重視度は他の世帯数と比べて低い結果となりました。 「ふたり世帯」は「とても重視した」の回答者が11項目において最も高く、部屋選びを厳しくチェックする傾向にあります。特に「キッチン設備」「浴室設備」への重視度が他の世帯数よりも高いことが注目されます。「3人以上世帯」では、「断熱性・気密性」「耐震性」の重視度が他の世帯数と比べて多い結果となりました。  

単身者用住宅に課題あり!?

次に満足度を世帯人数別に見てみました。どの世帯も50%以上の満足が認められましたが、「3人以上世帯」の「収納量」と、「ひとり世帯」の「遮音性」については、約50%の人が不満と感じていることがわかりました。 項目ごとの傾向を見ると、どの世帯も同様の満足度傾向が見られましたが、全体的に「ふたり世帯」の満足度が高めで、「ひとり世帯」の満足度が低めの結果になりました。 「ひとり世帯」の入居者の意識の問題なのでしょうか、それとも単身者用住宅の性能に課題があるのでしょうか。

遮音性:ライフスタイルの差が不快感の原因?

不満度の高い「遮音性」について、さらに調査を行いました。 「電車や車など外の音」に対しては世帯人数による不満度の差はあまり見られませんが、隣戸や上階の音に対しては世帯人数による差が見られました。「隣戸の生活音」と「隣戸の話し声」とで比べてみると、「生活音」よりも「話し声」の方が世帯人数による差が見られます。「ひとり世帯」の方が、「話し声」に敏感である可能性が考えられます。 「上階の走り回る音」は子供の足音が想定されますが、「ふたり世帯」が最も「気になる」と回答しています。これは、「ひとり世帯」の入居する単身用プランの住宅に子供が少ないことや、「3人以上世帯」では子供がいる可能性が高いことが関係していると推定できます。 建物内の「騒音」に対しては、異なるライフスタイルのプランを隣接させないことも対策のひとつと言えるでしょう。

意識調査のまとめ

いかがでしたでしょうか。賃貸マンションの企画では、入居者ターゲットを決めたら次にそのニーズに応えるプランニングを行います。入居者ターゲットを混在させることは空室リスクを減らすメリットがありますが、プランニングには細部まで気を配りましょう。 大成ユーレックのPC商品は、遮音性においても他の建物に比べて不満足度が低い結果となっています。遮音性能の高い構造体でプランニングを上手に行えば安心です。

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