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コラム

2016年12月25日

マンション経営者向け 若者への調査結果から分かる賃貸住宅市場

マンション経営において「いかにして入居者を確保するか」は、最も悩ましいことのひとつでしょう。まずは入居者がどうやって物件を探しているのを把握することが、とても大切です。しかし、入居者の年齢や社会属性の違いによって、物件探しの方法には大きな差が見られます。今回は、若者(18~29歳)を学生と社会人に分けて、それぞれがどのようにして物件探しを行っているのか、調査結果をもとに紹介します。 (資料「“UNDER30”私たちの選び方~部屋探しのプロセス&マインド~ 2015ー2016 年全国」アットホーム株式会社)

部屋探しに要する期間

図1に示したように、部屋探しを始めてから契約までに要した日数は、学生と社会人で傾向に違いが見られます。学生で最も多いのは「1日」で、「2,3日」も社会人に比べ多くなっています。学生は合格発表から入学式までにあまり日数がないため、物件探しに時間がかけられないことが考えられます。特に、進学を機に県外に出るという場合、入学の手続きから物件探しまで、1日で済ませてしまわなければならないことも多いようです。 一方、社会人は「1ヶ月くらい」が最多で、じっくりと時間をかけて探しています。つまり、短期決戦型の学生と、長期戦略型の社会人という構図だと言えるでしょう。

部屋探しの手段

図2から分かるように、学生、社会人ともにスマホやパソコンを使ってインターネット上で情報収集する人が多数です。スマホによる検索は、社会人の方にやや多く見られることが分かります。一方、学生の約20%は物件情報誌から探し、直接不動産仲介会社へ足を運んでいます。 ネットを利用すれば間取りや広さ、家賃など希望の条件を入力するだけで該当物件が表示されますし、営業時間を気にすることなく、好きなときに好きなだけ物件探しをすることができます。忙しい社会人や物件探しに時間をかけられない学生にとって、ネットはとても便利なツールなのです。

不動産会社への訪問と物件の内見

社会人・学生ともに契約までに内見した物件の数は「3件」が最多となっており、学生の62.3%、社会人の55.3%が内見数「1~3件」で契約に至っています。また、訪問した不動産会社の数になると、社会人も学生もほとんど同じく、約半数の人が「1社」となっています。 このデータを見ると、事前に希望物件をかなり絞り込んでから不動産会社を訪れていることがよくわかります。

入居者募集にはネット対策が不可欠

ここまでの調査結果で、スマホやPCで情報収集し、あらかじめ希望物件を絞り込んでから不動産会社を訪問するという流れがわかりました。ネットでみた物件数は、学生も社会人も「6~10件」が最多。まずは、この「6~10件」に所有物件がヒットすることが重要です。物件内容が正しく検索に反映されているか、検索条件上位項目を満たしているかをチェックしてみましょう。次に、物件の外観や部屋の様子を写真で紹介しましょう。入居者の知りたい情報を正しく伝えていなければ、せっかくの好条件も見逃されてしまいます。その際には、印象を良くするための努力も惜しまないこと。天気の良い日に撮る、部屋を広く見せるため床面を多めに構図をとる、観葉植物など小物を置いて撮るなどです。

さらには、多くの若者はSNSを通じた情報収集が活発です。口コミのチェックもしておきましょう。

まとめ

経営する賃貸住宅の入居者を確保するため、まずは入居ターゲットの行動を知ることが大切です。そして、そのターゲットが、どのように部屋探しをしているのかを把握しなければなりません。 若者をターゲットとした単身者向け物件をお持ちのオーナーは、溢れるほど多くの情報の中から、自分の物件を選んでもらうために、インターネットの活用によって、若い世代の心に響くような対策をとりましょう。

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