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コラム

2020年10月13日

土地活用の企画術② 現状の「問題点を抽出」し取組むべき「課題・目標を設定」

多くの不動産を所有するオーナー様にとって、土地活用は相続税対策に高い効果が期待できます。土地活用の5つの検討手順から、今回は「問題点の抽出」「課題・目標の設定」についてご説明します。

問題点を抽出する方法①  資産規模と所得状況から自身のポジションを確認

前号では、土地活用の検討にあたり、まずは、所有資産全体の安全性・流動性・収益性などを総合的に検討し、判断しながら「所有資産の現状把握」をすることの重要性と、その手法についてご説明しました。今回はその続きです。「所有資産の現状把握」が完了したら、次にその把握内容をもとに「問題点の抽出」を行います。   第一段階として、まずはオーナー様ご自身のポジションを明確にしましょう。 資産規模の大小と所得の高低から、ご自身が図1にある①~④のどのポジションにいるのかを確認します。    

問題点を抽出する方法②  資産の安全性・流動性・収益性を、3つの指標とポジションに応じて検証

次に、「所有資産の現状把握」のために行った「資産の安全性・流動性・収益性の分析」の結果を、さらに以下の分析指標を中心に検証し、ポジションに応じた問題点を抽出します。      

【安全性】自己資本比率を指標に検証

「自己資本比率」とは、資産全体に占 める自己資本の割合を表します。自 己資本比率を高めることで、賃料の 下落や空室率の上昇など賃貸経営を めぐる環境が悪化するような事態に 陥っても慌てずに済むよう、経営体 質の強化を図ることができます。 土地活用の資産分析では、隠れた 負債である推定相続税額も含めた総資産額で分析しますが、自己資本比 率が 50 %を切ると負債が過大な状態 にあるといえます。

【流動性】流動比率を指標に検証

金融資産と相続税納税のために売却予定の資産で、相続税を含むすべての負債をカバーできるかを分析し ます。相続税は、発生から納付までの 期間が短いため、あらかじめ所有資 産の権利関係を整理調整し、売却可 能な状態にしておく必要があります。

【収益性】資本収益率・キャッシュフローを指標に検証

資産価値に見合った収益が得られ ているかを検証します。少なくとも 固定資産税・都市計画税額以上の収 益が得られていない場合は、何らか の対策が必要です。 また、不動産収益で得られるキャッ シュフローは、長期的な視点で分析。 貸家については、賃料の下落・修繕費 の増加・所得税の増加などのリスク を見越した分析を行い、建物の大規 模改修費などに充てる手元資金が蓄 えられない状況にある場合は、同様 に対策を講じる必要があります。

【課題・目標の設定方法】抽出された取組み課題の優先順位を整理

抽出された問題点から、相続税対策についてどれだけ時間的余裕があるのか、その緊急性の判断など、様々な事情を勘案したうえで課題の優先順位を決めていきます。長期的に取組む課題、短期間で取組む課題に整理し、目標を設定しましょう。 一般的な例が表1です。      

目標と現実との差を把握し取組み課題の明確化を

検討を進めるうえでポイントとなるのは、何のために不動産を活用し、どのようになりたいのか、「現状」と「あるべき姿・なりたい姿」とのギャップ(=問題点)を把握することです。 そのうえであるべき姿(=目標)になるためには、何をどのようにすべきか、それが課題となり目的となりますので、この点を明確にすることが大切です。 以上、課題と目標が整理できましたら、次号では「対策の立案」へと進んでいきます。