建物には色々な構造や工法があります。
建物の規模や施工上の条件、マンション経営への考え方や予算によって選定する必要があります。
ここでは、マンション建築に利用されているそれぞれの構造・工法の特徴を紹介します。
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構造材料別
鉄筋コンクリート造(RC造)
主要な構造躯体が鉄筋コンクリートで構成されています。
耐火性,耐久性,断熱性,遮音性に優れ主に3階以上の中高層マンションに利用されています。法定耐用年数は47年です。また躯体となるコンクリートの壁・床・屋根を工場で製造するPC(プレキャスト鉄筋コンクリート)造という工業化工法があります。軽量鉄骨造(S造)
主要な構造躯体である柱、梁が鉄骨で構成された建物です。
鉄骨は2.9mmまたは3.2mm厚のものを使用し、「ブレース」という筋交材で壁面や床面を補強します。この壁面や床面に木質系もしくはALC(気泡コンクリート)などのパネルを組み合わせて建物を造っていきます。主に2階建てまでの比較的小規模のアパート建築に利用されており、法定耐用年数は19年または27年です。重量鉄骨造(S造)
主要な構造躯体である柱、梁に鉄骨が使われるのは軽量鉄骨造と同じですが、5.0mm厚以上の鉄骨を使用しています。
この構造は、体育館や商業施設などの大空間を設ける建築物に向いています。住宅に利用されるのは中高層以上の規模の建築で、法定耐用年数は34年です。鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
鉄骨造と鉄筋コンクリート造の長所を併せ持った構造です。柱や梁は、鉄骨の廻りに鉄筋を組み、木製型枠で囲んでコンクリートを流しこみます。7~8階建て以上のマンションに利用されます。鉄筋コンクリート造に比べ小さい断面で強い骨組みを作ることができますが、コストが高くなります。法定耐用年数は47年です。
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構造別
壁式構造
壁・床・天井の6面が箱型となって建物を支える地震に強い構造です。柱型や梁型が室内に出ないのですっきりした空間ができます。鉄筋コンクリート造の場合は主に5階建て以下のマンションに利用されています。
軸組構造(ラーメン構造)
垂直方向の柱と水平方向の梁で建物を支える構造です。開口部を大きくとることができる一方、柱型や梁型が室内に出て家具の配置上邪魔になることもあります。その他、壁式構造とラーメン構造をミックスさせた「壁式ラーメン構造」というものもあります。
工法別
プレハブ工法
プレハブとはプレハブリケーション(prefabrication)の略。工業化技術を活かした工法です。あらかじめ工場で建築の基本部品を製造し、現場で組み立てて建築します。工期が短く、品質のばらつきが少なく高い精度を有するのが特徴です。構造材によって木質系、鉄骨系、コンクリート系に大別されます。
在来工法
ほとんどの工事を現場で行うものを一般的に在来工法(従来工法)と呼んでいます。コンクリート系の場合、現場で鉄骨を組み型枠を作ってコンクリートを流し込んで構造体をつくるため、施工時の品質管理が非常に重要になります。