川越工場脱炭素化への取り組み
大成ユーレック川越工場事務所棟は、改修工事によりZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の認証を取得し、脱炭素化に向けた取り組みを積極的に行っています。
工場全体として、メガソーラーによる創エネと需給一体型EMS(エネルギーマネジメントシステム)を用いたエネルギー運用の最適化、グリーン水素製造・蓄電・自己託送による再エネ余剰電力の最大限活用に環境に加えて、工場内各所に配慮したアイテムを採用しています。
施設紹介
所在地 | 埼玉県川越市 | BELSの評価 | 一次エネルギー消費量 削減率109% |
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用途 | PC板工場・事務所棟 | CO2排出量 | 24t-CO2/年削減(削減率100%) |
建物規模 | 鉄骨造 1階建 | 光熱費 | 1,030千円/年削減 |
改修竣工 | 2023年3月 (水素ボイラーは2024年夏稼働予定) |
発電容量 | 1,034KW |

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メガソーラー
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建材一体型太陽光発電パネル
「T-Green Multi Solar」 -
ミストファン(夏の暑さ対策)
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カーボンファイバーによる梁補強
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地元産木材によるCLT梁補強・LED照明器具
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大容量LCM蓄電池
需給一体型エネルギーマネージメントシステム
- 工場棟に設置したメガソーラーによる発電量と、工場内で使用される電力量を予測し、どれだけ余剰電力が発生するかを需給一体型EMSが予測します。
- この余剰電力を「大容量LCM蓄電池」「自己託送」「水素製造」のどれで運用することが最適かを需給一体型EMSが判断し、最適運用を実施します。
- これにより、再生可能エネルギーを最大限活用することが可能になります。
- 川越工場では、水素ボイラーから熱エネルギーに変換してCO₂排出量ゼロの蒸気を作り、コンクリート部材の蒸気養生に活用することで、製造工程におけるエネルギーの脱炭素化を推進します。
- 2024年2月26日大成建設ニュースリリースはこちらをご覧ください。
- 2024年7月3日大成建設ニュースリリースはこちらをご覧ください。

カーボンリサイクルコンクリートPC製品

T-eConcrete®/カーボンリサイクルPCルーバー
日除けとして制作したカーボンリサイクルコンクリートによるPCルーバー
骨材には地元秩父産を利用し、ウォータージェットにより川越唐桟模様として現わしています。

T-eConcrete®/カーボンリサイクルPCベンチ
カーボンリサイクルコンクリートによるPCベンチ
作業員の休憩や、工具類の一時的な置き場として利用されています。

3Dプリンティングパーツ
5つの3Dプリンティングパーツをカーボンリサイクルコンクリートで接合したベンチ
中央にはプランターを設けています。
T-eConcrete®/Carbon-Recycle(カーボンリサイクル・コンクリート)とは
カーボンリサイクル・コンクリートは、排気ガスなどから回収したCO2をカルシウムに吸収させて製造する炭酸カルシウム等のカーボンリサイクル材料と、製鉄で生じる産業副産物である高炉スラグを用いて製造するコンクリートです。CO2を炭酸カルシウムに変換して練り混ぜることで、コンクリート内部にCO2を固定することができます。

T-eConcrete®は、大成建設が開発した4種類の環境配慮型のコンクリートの総称です。
詳細はこちらをご覧ください。https://www.taisei.co.jp/t-econcrete/
事務所内リニューアル
事務所内部にも環境技術を採用し、省エネかつウェルネス空間にリニューアルされました。
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改修前
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改修後(随所に秩父産木材を使用しています)
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観葉植物や木仕上により快適な環境づくり

廃棄木材を利用した天井木ルーバー・調光調色可能照明器具Synca
天井木ルーバーは、コンクリートの結晶構造を模しています。デジタル技術を駆使して位置や組み合わせを決定して製作されました。
調光調色可能な照明器具で、自然光により近い光を再現します。室内照明の光を照度は変えずに時間帯に応じて色温度を自動的に変化させることで、集中力の向上や体内リズムに配慮しています。

T-LED DUV Light®(紫外線を利用した空中殺菌灯)
殺菌効果の高い深紫外線(UV-C、またはDUV)を採用し、机上面へ2-3時間DUV照射することにより、一般的な細菌やウイルスを99%殺菌することが可能なダウンライト型LEDライトです。深紫外線は、人の不在時に点灯させて、安全性を確保する必要があるため、次世代人検知センサー「T-Zone Saver」を中心とした「安全制御システム」と連動させて運用しています。

T-Light® Blind(自然採光ブラインド)
直射日光を遮りながらも自然光を取り入れるブラインド
表裏で異なる反射特性を持つオリジナル断面形状のブラインド上部と、一般形状のスラットである下部のそれぞれで調整が可能であり、下部では遮光しながら上部で採光することにより、眩しくなく明るい環境を実現します。

T-Zone Saver®(人検知省エネ自動環境制御システム)
高感度人検知センサーの自動制御により、大幅な節電・省エネが実感できるシステムです。
人の在・不在をリアルタイムに検知し、空調温度の設定制御、照明のON/OFFや調光制御など、省エネ制御を行います。
川越工場のZEB化リニューアルは、大成建設により設計施工されました。
また、それぞれのアイテム(T-Green® Multi Solar、T-eConcrete®、T-Light® Blind、T-Zone Saver®)は、大成建設が開発した商品です。