大成ユーレック×学生寮
PC工法の強みと新しい価値をアピール。
スタイリッシュで、グローバルな学生寮が誕生。




大成ユーレック×学生寮「NEM HOUSE」
武蔵大学(東京都練馬区)は、キャンパス内に外国語や異文化を楽しみながら学ぶことのできる国際村を開設したり、ロンドン大学との提携を推進するなど、グローバル教育に力を注いでいます。本プロジェクトで誕生した学生寮「NEM HOUSE」は、留学生および在学生に勉学と生活のための良好な環境を提供する施設です。キャンパスより徒歩1分の場所に立地する利便性、2階と3階に共用オープンキッチン、各居室には勉強机などの家具や家電、Wi-Fiも完備した居住性に優れる、3階建て・41室の学生寮です。
OUTLINE
工期の短縮・安定した品質・施工時の騒音軽減などにメリットがあるPC工法を採用。現場の人手不足解消や、労働環境の改善も見据えました。建物はT字型の外観を形成しています。長い形状の居住部は先行して大型のクレーンで施工、短い形状の共用部は後から小型のクレーンで施工し、限られたスペース内で作業用の動線を確保する工夫をしました。当社が得意とする工法を用いつつ、お客様が希望する意匠・形状に合わせる設計と施工を追求しました。

MEMBER
PROJECT FLOW



ミッション~使命・課題・役割~
PC工法のメリットを活かしたスムーズな工事の実現を目指す。



当社の使命は、短工期をはじめ複数の強みを持つPC工法を用いて、お客様が求める期日までに工程表通りの施工を進めることでした。
また、PC工法は規格がある程度決まっていますが、学生のみなさんが満足いくスタイリッシュなデザインを意識しながら、PC工法のメリットを最大限に活かすことに注力しました。お客様からは「大成建設グループなら大丈夫」という当社を信用してのご依頼でしたので、身を引き締めてプロジェクトに臨みました。

そうですね。設計担当者は着工前からお客様と何度も打ち合わせを重ねながら、形状や色彩を決めています。そのような努力に報いるよう、お客様はもちろん、当社の設計担当にも満足してもらえる、イメージ図通りの建築物をつくろうと意気込んでいたことを思い出します。

加えて、今回は多くの留学生が入居する寮であることから、生活様式の違いなどを考慮した施工も求められており、細かなご要望にも応えていく必要がありました。
また、この現場は若い担当者が配属となっていたので、教育面にも気を遣い、工程確認もこまめにフォローしました。

入社してから2件目の担当現場だった私には、安全面はもちろん、職人さんが作業しやすい環境づくりなど、作業所全体の運営を任されていました。
また、上司からの指示を職人さんに伝えることや、工事全体の写真撮影、さまざまな計画・管理も私が担当していました。
わからないことだらけでしたが、とにかく工程通りに現場が進むように、多くの人とコミュニケーションを交わして業務に取り組むことを意識していました。野球で身につけたガッツとコミュニケーションスキルで、みなさんに食らいついていくこと。そして一つでも多くの知識と技術を身に付けて、活躍できる人材になることが目標でした。

私は作業所事務として、地鎮祭とその後に行う直会(なおらい)という懇親会の実施が印象に残っています。地鎮祭は工事が安全に行えるように願う重要な儀式で、多くの出席者が集う場になります。今回はお客様から、「地鎮祭後に現地にて直会を実施したい」というご希望を伺いました。初めてのケースだったので、正直不安もありました…。

現地での直会が初めてだったとは知らなかったです。
でも素晴らしい司会でしたよ!



課題解決のポイント
課題を解決するのは、現場でのコミュニケーション。



直会については社内の過去ファイルを見たり、祭典業者の方にヒアリングをしたり、現場のみなさんと協力しながら、テントのサイズやレイアウト、設営方法を決定していきました。また、実施時間も限られていたため、進行はどうするか、出席者の席次や飲み物の種類・銘柄など、お客様と綿密に打ち合わせを行った上で調整を行いました。

作業所長としては、風通しの良い職場環境とか、部下の目線に立った関係構築など、その辺りには特に気を配りましたね。
何か問題があっても気軽に相談できない関係だと、小さな問題も大きくなってしまうことがあります。そうなる前にしっかりとコミュニケーションを取りながら関係を築くように意識しています。

作業所長がそういった環境づくりをしてくださったので、わからないことはすぐに確認していました。また、場合によっては職人さんの方が作業内容をよく知っていることが多かったので、「以前の現場では、こんなやり方だったよ」なんて教えてもらっていました。作業所の雰囲気が和やかで、みなさんと話しやすかったのは、経験の少ない私にはとても助かりました。

私も作業所長のおかげで、風通しの良さというのは感じていました。わからないことがあればいつでも聞くことができましたし、それよりも、私が困っていることを見透かしていたかのように、現場を一緒に歩くと「ここはどうしようか」と、それとなく先回りして教えてくださっていたような気がしています。やはり、それぞれの課題を解決するには、コミュケーションの円滑さというのがカギになっていると思います。




大成ユーレックの価値
「PC工法の大成ユーレック」として、お客様のご期待に応えられた。



お客様が私たちに期待してくださっていた「PC工法による効率的な施工」という意味では、この現場は大成功だったのではないでしょうか。PC工法を用いることで、雨天など影響の出やすい躯体工事の期間を短縮できました。法改正により労働時間の規制が厳しくなった中でも、スケジュール通りに進められたことは、PC工法の強みであり、価値だと思います。

自社工場でPC板を作れるというメリットは大きくて、実際に使用するPC板を、事前に当社の川越工場でお客様に直接ご確認いただけたというのも、大成ユーレックの強みの一つではないでしょうか。

当社による設計施工であったことで、設計と工事とのやりとりがスムーズだったことも大きかったですね。
また施工にあたっては、敷地に余裕がない中で、現場内の作業員の動線を確保することがテーマでした。躯体工事中のクレーン車やトレーラーの配置を考え、施工の順序などを工夫し、計画通りに運営することができました。「PC工法の大成ユーレック」として、ご期待に応えられたのは嬉しいことです。

初めて担当した仮設工事では先輩にアドバイスをいただきながら資材の数量を計算し、図面通りに足場が組めるかを職人さんと計画したことは、非常に勉強になりました。
PC工法の独自性もあり、協力会社の職人さんは当社と長年仕事をされてきた方が多く、建築物はもちろん、信頼も共に築いてきたというチーム力も魅力だと思います。

設計でも「お客様が思い描いたイメージ通りに」という目標を達成すべく、いろいろなチャレンジをしました。共用部のキッチンスペースに使用するPC板には大開口のサッシを設け、外壁はあえて打ち放し風にしました。化粧壁に鋼製型枠の板目模様を付けることも、PC板を製造している自社工場と議論をしながら成し遂げた新たな価値だと思います。




成果とやりがい
お客様との信頼を築き上げたことが、大きな成果。



図面や工程通りに現場が進行していることに加えて、職人さんを含めた全員でひとつの建物をつくっていることに、やりがいを感じていました。上棟の日、職人さんから「おめでとう。よく頑張ったね」と言われた時には、この現場に携わることができて本当に良かったと思えました。

試行錯誤して施工した建物が出来上がるのは、何度経験してもやりがいを感じるものです。
時には想定通りにいかないこともありますが、そんな時でも竣工して建物を見上げた時には「感無量」な気持ちになれるのだと思います。
また、何度もお客様と打ち合わせを重ねて信頼を築けたことが、大きな成果だったと思います。

私は直接モノづくりに携わることはありませんが、請求処理や損益管理、竣工時には引き渡し書類の作成など作業所を支える立場です。すべての業務を終え、最終的にお客様の笑顔を見た時には、達成感と共に仲間と喜びを分かち合うことができます。

若い担当者が多い中で、メンバーが一丸となって引き渡しを終えることができたのは私にとって大きな成果でしたね。それぞれが新しい挑戦をして、成長していく姿を見られることが作業所長である私のやりがいです。これからも多くの経験を重ねて、成長してもらいたいと思っています。




展望
この現場で学んだことを、その次、さらに次へと活かしたい。


これから挑戦したいことは、今回の経験を活かして、会社で役に立つ人材になることです。業務での必要事項を正確に、スピード感を持って伝えること。それはどんな部署でも共通のはずです。作業所事務では、工事の進捗などを本社へ伝える架け橋としての役割を担っていました。
入社5年目になり、後輩も増えてきました。今後はさらに「伝える」ということにこだわりをもって、成長していきたいと思っています。

私は多くの業務に積極的に関わるようにして、より建築に詳しくなること、それが目標です。今回の現場で学んだことやこれから学んでいくことを、その次、さらに次へと活かして、将来的に一人でも作業所を運営できる施工管理者になりたいです。もちろん一級建築士と1級施工管理技士の両方を取得して、会社に貢献できる人材になることも目指していきます!

良い目標だね、間違いなくなれると思います!一緒に頑張っていきましょう。
とはいえ私もまだ6年目ですから、勉強しなければいけないことばかりです。今の目標は、まだ経験したことがない新たな業務を担当することです。具体的には予算管理と詳細図の図面チェック。尊敬する作業所長や先輩社員の仕事のやり方を盗み、二手先、三手先が読めるような技術者として成長したいです。所長、今後もよろしくお願いします。

そうですね、若い人たちに仕事を覚えてもらえれば心強いので、会社の将来も安泰です(笑)。成長に大切なのは、コミュニケーション。当社は上司と部下の距離が近いので、積極的に質問をして、経験や知識を吸収してもらいたいです。
私自身も、モノをつくることが好きなので、体力のあるうちはまだまだ現場で頑張りたいと思っています。
