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コラム

2015年11月27日

「生産緑地」を活かして 短期間で相続対策を成功させる新手法

土地オーナーにとって節税メリットがある 「生産緑地」 けれども農業以外で使えない不自由さや、後継者の不在で相続に不安を抱えている方も少なくないようです。そんな悩みを同時に、しかも短期間で解決できる方法をご紹介します。

農業をやめると高額な相続税が!土地を手放す他に手立てはない!?

市街化区域内の500㎡以上の農地で、行政から生産緑地の指定を受けた「生産緑地」は、固定資産税が優遇され、相続税の納税が猶予されます。 ただし途中で農業をやめると猶予を受けていた相続税をさかのぼって払わなければならず、この「遡り課税」は現金納付で、延納や物納もできず利子税もかかるため、農業をやめたくてもやめられない事態に陥ってしまいます。 それでも「区画整理」の『換地』という手法を利用すれば、生産緑地だった所に賃貸マンションなどの建築が可能になり、農業以外の土地活用が可能になる事例をご紹介します。

たとえば、幹線道路沿いに生産緑地が、奥にある不便な所に宅地がある場合、「換地」により両者の配置替えが可能になります。そしてこのプロセスのなかで、農地は集約し、整形化でき、隣接した道路を拡張したり、新設することも可能です。(図1) 2009年12月施行の改正農地法により、本人が耕作不能であれば賃貸による営農でも生産緑地の相続税猶予が認められています。農地の水耕栽培のような植物工場用地を探している企業も増えていますので、そんな企業にリースするという活用方法もあります。(図2)

自ら取り組み生産緑地を事業用地に

区画整理というと、とても時間がかかるイメージがありますが、一般的に時間がかかるのは地権者間の意見調整です。 地権者が1人の場合には、生産緑地を含む所有地全体を組み替えて活用計画を立て、行政に頼らず個人で行うことができるので短期間で実施でき、所有地全体での相続税対策が短期間で可能になります。 行政には頼らないので補助金は付きませんが、整地して確保した保留地の売却費を事業費に充てることもでき、こうした事業への融資に積極的な金融機関もあります。 都市部で営農されている方は、自分の財産を守るためには自ら主導的に動く時代になっています。 首都圏でも数件の実例があって、民間によるこうした取り組みを推奨している自治体もあるので、専門のコンサルタントや建設会社などに相談してみてはいかがでしょうか。

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