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コラム

2017年11月22日

覚えておきたい賃貸経営のリスク

マンションやアパートなどの賃貸経営の魅力のひとつは、資格がなくても賃貸物件があれば誰でも運用が可能であることです。そのため、税金対策で賃貸経営を始める人もいれば、親から相続して賃貸経営をされている人もいるでしょう。あるいは、自宅建替え資金調達のため賃貸併用住宅を選ぶ人もいるかも知れません。しかし、賃貸経営は必ずしも成功するとは限らず、中には経営がうまくいかずに賃貸物件を手放すことになってしまうケースがあります。 そこで、賃貸経営のリスクについて考えてみたいと思います。

①空室リスクと家賃下落リスク

まず気をつけなければならないのは、「賃貸物件=収入源」ではないという点です。 当然のことですが、入居者がいなければ収入は発生しません。ところが、事業を始める時には、取得する賃貸物件は常に満室であるイメージを持ってしまいがちです。将来を予測する場合、人は明るい未来を信じる傾向にありリスクから目を逸らしたくなるそうなので、現実的なラインを見極める慎重さが必要です。実際のところ、10年間ずっと満室ということはありえません。近隣物件と競合してしまった、築古になって募集に時間がかかるようになった、といった空室リスクのほかに、入居者の入替え時には必ず空室期間があるからです。事業計画を立てる場合には、空室期間(空室率)を反映したもので判断するべきでしょう。   空室リスクと同様に事業計画時に押さえてきたいのが「家賃下落リスク」です。新築時と同じ賃料でずっと入居者を確保できるとは限りません。安易に家賃を下げる必要はありませんが、長期間空室が続けば家賃を下げざるを得ない場合もあるでしょう。景気動向の影響も受けますし、交通機関の整備や再開発等による人の流れと共に賃料相場が変わる可能性もあります。   空室リスク、家賃下落リスク共に先のことは予測困難ですが、入居者になるべく長く住んでもらい、次の入居者を早く見つけることができれば賃貸経営を成功に導くことができるでしょう。 長く住んでもらうためには物件の「住み心地」が重要で、建物の性能はもちろんのこと、日頃の清掃や設備の点検、クレーム対応等のいわゆる入居管理の善し悪しが影響します。そして、次の入居者を早く獲得するためにはインターネットの検索にかかりやすくする、物件の魅力を数多く写真で紹介するなど募集方法が重要です。賃貸経営は建ててからがスタート。リスクを見込んだ事業計画、目を配った入居管理が「空室リスク」と「家賃下落リスク」への対策と言えます。

②災害リスク

発生確率は低いものの考えておきたいリスクとして「災害リスク」があります。地震、津波、台風、落雷といった自然災害、失火、放火、盗難といった人的災害が考えられます。これらに対しては、強固な建物や保険加入により対策をとりましょう。「賃貸経営と保険契約」については、こちらのコラムを参照ください。 一方、昨今社会問題にもなっているのが、貸室での孤独死、自殺、殺人といった事案です。これらの事件、事故が発生すると、物件の資産価値が大きく下ることから未然に防ぐための対策が必要です。入居時審査や、家賃の支払い状況など、日頃の入居管理の中から異状を早期発見する必要があるでしょう。

③資産価値の下落リスク

建物の資産価値は築年数と共に減っていきます。新築同様の資産価値を長く維持することは、空室や家賃下落を防ぐことにも役立ちますし、万が一売却することになった場合も、満室で綺麗な状態である方が買い手も見つかりやすく、高く売却できる可能性があります。 資産価値を維持するためには日頃のメンテナンスと定期的な修繕工事が必要です。早め早めの対応が建物の美観と寿命を保つことになるのです。 修繕のポイントはこちらをご覧ください。 修繕の事例はこちらをご覧ください。

その他、建設費の借入れを行っている場合はローンの金利リスクにも注意が必要です。

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