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コラム

2017年08月29日

どうする?賃貸マンションの外壁仕上①

お部屋探しにおいて、外観の印象は大切なポイントです。これから賃貸マンションを建てようと計画されている土地オーナーにとっても、外観は関心の高い事柄ではないでしょうか。今回は、外観を彩るマンション外壁の種類とその特徴についてご紹介します。

マンション外壁の種類と特徴

マンションの外壁に採用されるものとして、「タイル」「石」「塗装」「コンクリート打放し」などの外装仕上げがあります。

タイル

マンションの外装仕上げで近年主流となっているのが「タイル」です。 「タイル」は、粘土や石を固めて高温で焼き固めたもので、耐久性に優れているだけでなく、高級感を演出できる仕上げ材です。タイルには、色やサイズ、材質、表面の加工など様々な種類があり、タイルの種類によって、モダンなデザイン、重厚なデザイン、ヨーロピアンなデザインなど、外観を演出することができます。 賃貸マンションでよく使用されるタイルは、50二丁と言われているサイズです(下の写真)。二丁掛タイルは、レンガを基に作られたサイズで、50二丁よりやや大きくなります。50角タイルは、50二丁の半分で正方形です。目地を入れて50ミリになります。ボーダータイルは、細長いタイルで決まったサイズはありません。サイズが大きいもの、表面加工(模様)が複雑なもの、少量生産のものほど高額になる傾向があります。 外壁に使用されるのは、高強度で給水率の低い、磁器質タイル、せっ器質タイルです。

また、同じタイルでも、貼り方によって印象が変わります。レンガを積むように交互にずらした「馬目地」に対して、目地を通したものを「イモ目地」と呼びます。20年ほど前は、高級感や重厚感が出る「馬目地」で茶系のタイルが好まれましたが、今は「イモ目地」の方が多く採用されています。タイルの色も茶系よりはモノトーン系が多いように思います。さらには、目地の色によって印象が変わるのも面白いところです。ボーダータイルや二丁掛タイルの場合には、「深目地」といって目地を表面まで出さずにタイルの厚みを見せる方法も多用されます。

外壁に使用される石は、タイル状になっているもの、30センチ角や40センチ角の平板のものがあります。高級感を演出できる「石」は、エントランス周りなど部分的に使用するだけでアクセントとして効果を発揮します。平板状の石では、耐候性に優れている御影石が多用されています。黒、グレー、赤、ピンクなどの種類がありますが、天然建材なので色や模様にバラツキがあるため、現場でバランスを見て配置していきます。

塗装

従来から外壁仕上げとして馴染みのある工法として塗装があります。マンションの外壁で使用される「吹付けタイル」と呼ばれるものは合成樹脂の塗装材で、凹凸模様やローラーで押さえた仕上げなど風合いの異なる仕上げ方法があります。カラーバリエーションが豊富で、安価で工期が短いことからも幅広く採用されており、塗り替え時に色を変えることも可能です。全面タイル張りのマンションでも、軒裏や手摺の内側などでは塗装が使用されます。小さい見本帳や写真で見た印象と、実際の仕上がりの印象が異なる場合が多いため、色選びや材質選びは慎重に行う必要があります。広い面積になると、より明るく鮮やかな印象になります。畳1枚分ほどの面積で試し塗りを確認することをお勧めします。

コンクリート打放し

モダンなデザインを表現するには「コンクリート打放し」という工法があります。コンクリートを打ち、型枠を外しただけの状態でコンクリートの素地を生かす工法になります。デザイン性が高い一方、色むらやピンホールなどが出ないようにするためには高い施工技術が必要となり、それに伴って、コストも高くなります。また、コンクリートの表面を保護するため撥水剤を塗布して仕上げており、コンクリートに型枠の木目模様を際立たせるため、杉板の型枠を用いることもあります。

デザイン同様に重要な外装材

今回紹介した外装材のほかにも、各種「サイディング」や「ALCパネル」などがあります。これらは、構造体が鉄骨造や木造の場合に「乾式工法」で施工されるものです。   外観デザインを決める際には、ぜひ外装材もあわせて検討してください。同じコストでも、同じ材料でも、外装材の使い方で建物の印象が変わります。設計者にイメージを伝えれば一緒に検討してくれるはずです。設計者に任せる場合でも、「こんなはずではなかった」ということがないように、使用材料の説明を受けるようにしましょう。

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