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コラム

2017年05月01日

賃貸マンションの防犯対策

防犯対策をおろそかにしているマンションオーナー様はいませんか?セキュリティ上の不安は退去理由になりやすく、防犯意識が高まっている現在、セキュリティ設備は部屋探しのポイントにもなっています。今回は、防犯対策やセキュリティ設備について紹介します。

データから分かる、マンションへの防犯対策の必要性

警察庁が発表した「平成26、27年の犯罪情勢」によれば、住宅における侵入窃盗認知件数は50,995件にのぼります。 平成17年から10年間のデータを見ると、件数は減少傾向にありますが、依然として窃盗事件は多発しているので、徹底した防犯対策が必要と考えられます。 住宅形態別に見ると、4階以上共同住宅よりも3階以下共同住宅に被害が多く、建物階数が影響してることがわかります。侵入窃盗の手口は、留守宅に侵入する「空き巣」が最も多く発生していますが、就寝中に侵入する「忍び込み」、在宅時に侵入する「居空き」も発生しています。「忍び込み」「居空き」は、身体に危険が及ぶ可能性もあるので対策が必要です。

共同住宅への侵入口・侵入方法別侵入窃盗認知件数(2015年)を見ると、表出入口と窓が多く、無締りを除くと、表出入口では施錠開け、窓ではガラス破りが侵入方法として多いことがわかっています。共同住宅では、ピッキング・ガラス破り対策が重要といえるでしょう。

防犯設備について入居者はどう考えている?

共同住宅の入居者に、住居を選択した際に「セキュリティ・防犯設備についてどの程度重視したか」を聞いたアンケートの結果を紹介します。

このアンケートによると、「とても重視した」および「ある程度重視した」と回答した入居者の割合は、あわせて56.2%であり、半数を超えています。 また、建物の建築構造別に見てみると、いわゆる「マンション」に区分されるRC造・PC造物件の入居者では60%以上が「重視した」と回答しています。鉄骨造物件の入居者は53%が、木造物件の入居者は32%がセキュリティ・防犯設備を重視している結果となりました。

防犯対策に必要なセキュリティ設備例

(1)    玄関ドア対策 玄関ドアからの侵入を防ぐためには、解錠に時間がかかるようにすることが効果的です。ピッキングに強い鍵として「ディンプル錠」があります。形状が複雑で複製しにくく、針金等での鍵解錠が困難です。更には、そのディンプル錠で2箇所を施錠すれば防犯性が高まります。鍵と一体型にデザインされた玄関ドアハンドルも用意されており、人気があります。 ディンプル錠のほか、鍵穴のないカード錠やIC錠も人気があります。これらは防犯性も高く、所有者情報の登録により鍵の交換がすぐにできるメリットがありますが、電気製品故の故障の心配が残ることと、初期投資が高額になるのが難点です。 人感センサー付き照明器具も有効です。入居者に便利な機能ですが、夜間に照らされれば侵入もしにくくなります。   (2)    窓ガラス対策 共同住宅でも低層階では窓からの侵入が危惧されます。死角を作らない配置計画や支柱や塀を伝って上層階に入ることができないように配慮することが重要です。さらには、破るのに時間がかかり割れると大きな音がする「防犯ガラス」や、防犯を兼ねたシャッター雨戸を設置すると安心でしょう。   (3)    その他 ・モニター付きインターホン、オートロック設備 現在、多くのマンションに設置されているモニター付きインターホン。ドアを解錠せずに訪問者と話せるセキュリティ設備です。 各玄関の出入口に設置するタイプもありますが、より防犯対策になるのがマンション集合玄関口に設置するタイプのオートロック機能です。入居者の承諾なしにマンション内には立ち入れないので、見知らぬ人が容易にうろつくのを防ぐ効果があります。   ・防犯カメラ 防犯上効果が高い防犯カメラですが、通報・駆付けサービスとセットの警備会社メニューや、インターネット回線を利用して視聴するものなどさまざまなタイプがあります。集合玄関、駐車場、エレベーターのほか、死角になる部分に設置すると良いでしょう。

  防犯対策は万全を期すに越したことはありません。オートロック設備があるからと油断して、在宅時やちょっとした外出時に玄関施錠を行わないのでは返って危険です。防犯設備と防犯意識をもって対策にあたるよう心がけましょう

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