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コラム

2016年06月17日

知っておきたい!サブリース(一括借上げ)のメリット・デメリット

賃貸オーナーなら、「賃貸経営をするからには安定した収入を得たい」と思うことでしょう。そのための手段の一つとして、サブリース(一括借上げ)という経営方法に人気があります。サブリースとはどのような方法で、またどのようなメリットやデメリットがあるのかをご紹介します。

サブリース(一括借上げ)のメリットとデメリット

サブリース(一括借上げ)とは、不動産管理会社が賃貸物件を一括して借上げ、第三者に転貸するシステムです。「空室があっても賃料収入が変わらない」「入居者募集や家賃の徴集、清掃等の煩わしい業務を任せられる」とあって、賃貸オーナー初心者でも賃貸経営を始めやすいしくみでもあります。

サブリースのメリット

■空室の有無にかかわらず家賃収入を得ることができる サブリース会社から1棟分の保証賃料がまとめて入金されますので、賃貸オーナーは家賃の徴収や各住戸毎にチェックをする必要がありません。よって返済計画も立てやすく収支の見通しも容易になります。 ■家賃滞納の心配がない 家賃徴収はサブリース会社が行いますので、滞納者への督促もサブリース会社が行います。賃貸オーナーは心配することなく保証賃料を受け取ることができます。 ■入退去時の契約手続きや原状回復工事、入居者からのクレーム対応、建物点検や日常清掃業務等をサブリース会社が代行します。 賃貸経営をしていると、ゴミ置き場の清掃や植木の手入れ、台風や突風による破損、不注意による汚損等への対応が発生します。また、設備機器の不具合や入居者間のトラブル等にも対応しなくてはなりません。対応を怠れば入居率にも影響しかねません。これらをサブリース会社に任せることで、賃貸オーナーは日常の雑務から解放され、賃貸経営全体を余裕をもって見ることができます。 ■融資を受けやすい 賃貸物件の建設には多額の費用がかかります。ほとんどの賃貸オーナーが金融機関からの融資を受けると思いますが、家賃保証が付くことで融資が受けやすくなります。

覚えておきたいリスクやデメリット

メリットが多いサブリースですが、リスクやデメリットがないわけではありません。 ■保証賃料は必ずしも長期間一定ではない 例えば30年間一括借上げの契約であっても途中で保証賃料の見直しがあるのが一般的です。ずっと満室経営なら問題ありませんが、景気動向や競合物件の出現、築年数等により入居率が低下し、募集賃料を下げざるを得なかったり、空室期間が長くなったりした場合には、保証賃料の見直しで収入が下がる可能性があります。 ■保証賃料は募集賃料(相場賃料)の80~90% 募集賃料の10~20%を不動産管理会社が取得し、管理業務と空室リスクを負担するしくみです。また入居募集期間(新築時と退去による再募集時)に賃料支払の免責期間を採用するのが一般的です。賃貸オーナーにとっては、「思ったほど収入にならない」という印象になるのはこのためです。 ■借上げには条件がある 不動産管理会社から見ると、家賃の保証ができるか=満室にできるかどうかによってサブリース契約の可否が決まります。駅から遠かったり中古物件は入居需要が少ないので、空室リスクも高く、サブリース契約の対象から外しているのです。それでも強引に借上げを勧められる場合は、賃貸物件の新築が目的の場合もあるので注意が必要です。

リスクを把握した上で始める

このように、サブリースは管理の手間が省けるなどさまざまなメリットがある一方、賃料収入が減ってしまうといったデメリットもあります。他にも職業を持っていて忙しかったり、高齢等で業務に負担を感じる賃貸オーナーにとってサブリースは非常に魅力的なシステムですが、不動産管理会社は、他にも様々なメニューを用意しています。入居募集のみを行うもの、家賃集金のみを行うもの、賃料保証以外の入居管理、建物管理を行う一般管理などがありますので、賃貸経営への関わり方によってサービスを選ぶとよいでしょう。 サブリース契約をするなら、設定賃料は高い方が良いのですが、高すぎると入居者がなかなか見つからず、結局は見直し時に保証料の減額ということにもなり兼ねません。賃料相場を知る上でも複数社の見積をとり、また契約条項をしっかり確認するなどの対策をとりましょう。 サブリース契約は長期にわたる契約です。信頼できる企業との協力が成功への第1歩となるでしょう。

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